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地産地消応援店舗取材「懐石料理 雲鶴」

大通りを少し奥に入った場所に居を構える「懐石料理 雲鶴」。しっとり上品な佇まいに違わず、料理の味も折り紙付き。『ミシュランガイド関西 2015』より4年連続で一つ星に輝いている実力店です。

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店内に入ると、一枚板のカウンターが出迎えてくれます。

料理人の華麗な腕裁きを眺めながら美食に舌鼓を打てる特等席です。

 

11_12-063_R.jpg1階は上品で渋みのある佇まいのテーブル席があり、2名から利用可能です。

11_12-069_R.jpg2階には12名まで対応可能な個室席もあります。

鮮やかな発色が目を引くインテリアはアメリカのアーティストによるもの。

無駄なものを排除したシンプルな空間を華やかな空間に昇華させています。

料理長の島村雅晴さんは2005年に同店を開くまで、老舗旅館が直営する大阪の懐石料理店で修業を積み、腕を磨いてこられました。

11_12-019_R.jpg「懐石料理の味のベースとなるダシは、シンプルなだけにごまかしが効きません。当店では、鰹節は枕崎の一本釣り本枯節をその都度削り、昆布も北海道道南の中で最も評価を得る川汲浜の天然ものを熟成させた最高品質のものを選んでいます。ですが、これだけでは十分とは言えません。料理人の雑味を出さない丁寧な仕事も大切。やはり、これに尽きると思います」と、現在も「常に丁寧な手仕事」をモットーに料理に向き合っておられます。

この腕にほれ込み、足繁く通う常連さんも多いとか。食通の客人をもてなす際などに利用する人が多いようです。

 浪速の商人によって育まれた「大阪料理」

同店で、食通の客人をもてなすのは「大阪料理」です。

聞きなれない人もいるかもしれませんが、例えば、「京料理」と比べるとその個性は明確。

「京の持ち味、浪速の喰い味」という言葉があるように、

京都の「持ち味」とは、素材を生かした薄い味付け、

大阪の「喰い味」とは、ダシの旨みを効かせたまったりコクのある味付けのことを指します。

「同じ近畿地方でも、京都と大阪ではダシも違います。京都は淡いミネラル感のある利尻昆布を好みますが、大阪はまったりした旨味の真昆布を使います。

そもそも京料理は高貴な公家文化の中で育まれました。それに対して大阪料理は、賑やかな商人の町によって育まれたのでお得感が大切。例えば鯛なら、身は刺身にして、頭は煮付け、骨は煎餅やダシ、腸は塩辛……と高価な食材もとことん使って得をするんです。いわゆる「喰い切りの文化」というものです。

「私はこうした年月をかけて築き上げられた先達の技や知恵に敬意を持ち、日々実践のなかにさらに伝統を進化させる一役となりたいと思っています」と料理への思いを語る島村さん。

 この思いから、島村さんは「大阪料理会」にも所属しておられます。割烹、料亭など約40~45店の料理人からなるこの会は、浪速割烹の代名詞「㐂川」の創業店主・上野修三氏が発足させた集まり。大阪料理研究家としても名を馳せる上野氏のもと、選りすぐりの料理人たちが互いに料理を品評し切磋琢磨しているそうです。

11_12-058_R.jpg店の入り口に掲げられた表札は、腕利きの料理人の証です。

10年ほど前、その「大阪料理会」の活動の一つ「浪速魚菜の会」を通じて出会ったのが、大阪産の野菜たち。なかでも、100年前から府内で栽培される大阪独自の野菜「なにわの伝統野菜」に島村さんは魅かれたそう。生産農家が少なく希少と言われるなか、複数の農家とやりとりしながら食材を仕入れておられます。

「『せっかくなら地元の食材を使いたい』と興味を持ったのがきっかけです。以来、料理に積極的に取り入れるようにしています。

一般の野菜に比べるとなにわ伝統野菜は、味の個性がハッキリしているので、その個性を生かしながら他の食材と合わせていくようにしています」

例えば、独特の苦みが特徴の毛馬胡瓜は、茎に近くしっかり身がつまった部分は加熱して煮物などに調理され、その他の実が薄く甘みがある部分は軽く塩をする程度で食べるとか。普通の胡瓜では到底しないような調理法にあえて挑戦し、味を生かす工夫をしています。

この日も、堺市産の勝間南瓜天王寺蕪田辺大根の「なにわ伝統野菜」3種と、

大阪府下で採れた泉州産のしいたけ、堺市産のさつま芋としゅんぎく、そして富田林市産の海老芋を使って料理を作ってくださいました。

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野菜の旨みとダシの風味寒い夜にこそ食べたい一品

では、それぞれ料理をご紹介しましょう。

まず一品目は「田辺大根と板持の海老芋、キンメダイの小鍋薄葛仕立て」(コース料理の一品)です。

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田辺大根は、大阪市東住吉区田辺エリアで誕生した大根です。

肉質が緻密で煮崩れしにくいため今日のような煮物にはピッタリ。

今回は食感がトロッとなめらかなえびいも、鮮やかな朱色に旨みがのった金目鯛とともに小鍋で煮込んでいます。

同店自慢の風味豊かなダシには、身体をぽかぽか温めてくれるショウガと、奈良県産の吉野葛が加えられ、とろっとしたダシが田辺大根などの具材をまったり包み込みます。ダシの豊かな風味とともに、田辺大根のきめ細やかな肉質から甘みがじんわり。

寒さが厳しくなるこれからの時期にこそ味わいたい一品です。

味わいが何層にも重なり合う贅沢なおひたし

 続いては、「しゅんぎくと焼きしいたけのおひたし 河内鴨の網焼き添え」(コース料理の一品)。

11_12-035_R.jpgしゅんぎくとしいたけ、河内鴨が何層にも重なったこちらの料理は、

一品ずつしっかりと心遣いがなされ、手間と時間がかけられています。

 まず、河内鴨はみりんと砂糖、ごま油で味付けし、網焼きに。

香ばしい香りとともに、みりんの甘い香りがふわりと漂い、

鴨肉からじわっと肉汁が出て絶妙な照りを帯びます。

 また、しいたけは、さっと炙って、身を崩さないよう包丁で慎重にカットします。

 

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そしてこの料理で重要な役割を果たすのがしゅんぎくです。

実は、大阪は全国2位のしゅんぎくの名産地。

鍋料理に使われることが多く、冬の食卓には欠かせない存在です。

 今回、料理に使ったしゅんぎくも、もちろん新鮮な大阪産。

「しゅんぎくと言えば、独特な臭みやアクをイメージするかもしれませんが、大阪産のものは葉の育ちが良く、大ぶりなのに柔らか。ハリがあって肉厚で食べ応えもあります」

さっと湯がいた後、鰹と昆布からとったダシと醤油で味付けしています。

 そして、最後にオニグルミ(日本の野生のクルミ)をふりかけます。市販のアメリカ産のものに比べ風味が強いため、良い味のアクセントになるのです。

 それぞれ丁寧な手仕事の光る料理が何層にも重なり、食べ進めるたびに新たな味覚との出会いがあります。

 じっくり手をかけることで素材の持ち味を最大限に引き出して

そして、3品目は「勝間南瓜の炊き込みご飯」(コースの一品)です。

11_12-039_R.jpg小ぶりでごつごつした皮をまとった勝間南瓜は煮物に使われることが多いのですが、

今回はダシと鶏肉、薄揚げをまぜて炊いた炊き込みごはんにトッピング。

しかも、ご飯を埋め尽くすほどたっぷりと載せられています。

勝間南瓜の皮は、もともと緑色の皮をしていますが、2か月ほど寝かせると徐々に黄色くなります。また中身は、鮮やかなオレンジ色。今回のように蒸すとさらに色味が増すようです。

 鍋にかけられアツアツに熱せられた状態でテーブルへ。

窯の蓋を開けた瞬間にふわーっと立ち上る、南瓜のこっくりした甘い香りがたまりません!

「勝間南瓜は、甘くてほくほくした西洋南瓜に比べると、食感もごりっとして水っぽさがあります。しかし、強火で1時間半しっかり加熱すると、水っぽさが抜けて西洋南瓜以上の甘みが出てくるんです」

手間と工夫を加えることで、素材の持ち味を存分に引き出しておられます。

 趣向を凝らしたスイーツに巧みな技術と繊細な心遣いが光る

 そして、最後は「天王寺蕪ういろう仕立てと焼き芋の大学芋」(コース料理の一品)です。

手前の白い球体は、先ほど登場した天王寺蕪をモチーフにしています。

作り方は、蕪の真ん中の部分を蜜で炊き、それを白あんでくるんで、さらにういろう生地で包むという、手のこりよう。葉と茎の部分は、天王寺蕪の葉を粉末状にして作ったクッキーを刺しています。

 しかも、ゴマの中には焼きいもを飴でコーティングした大学芋が!

トロッと甘い芋を繊細な飴でコーティングしてあり、

キラキラと輝く一粒はまるで宝石のよう。

黒ゴマの芳醇な香りが加わるとまた違った味を楽しめます。

 ちなみに、蕪の隣に添えらえた鍬は、黒ゴマの中に埋まったキャンディーを掘り当てるためのもの。遊び心ある演出に驚かされます。

 

絶品料理と極上のエピソードが描くこの上ない贅沢な時間

 聞けば、この巧みな演出には理由があるそう。

「普段からできるかぎり素材本来の形、味を生かした調理を目指していますが、やはり包丁でカットし調理してしまうと、普通の野菜も伝統野菜も、違いが分かりにくくなってしまいます。それでは、お客さんの記憶にも残りません。しっかり『なにわ伝統野菜』と覚えてもらうために、あえて見た目もインパクトのある料理にして記憶に残るものにしているんです」

11_12-048_R.jpgさらに特筆すべきは、忠実なまでの再現性。

天王寺蕪特有の形を再現するため少し楕円形にしているそうです。

また、盛り付けにも工夫が見られます。

もともと蕪は「浮き蕪」と呼ばれ、畑では球の下半分ぐらいしか土に埋まっていませんが、なかでも天王寺蕪は根っこ部分のみ。

そのため、最後に黒ゴマの上に盛りつける際もそっと添える程度にしているそうです。

「こうすることで、お客さんに『浮き蕪』の話をすることができます。お客さまにとっても話を聞きながら形をイメージしやすいですし、大阪で過ごした思い出の一コマになるはずです」

 食通が集い、厚い信頼を受ける同店。大阪だけでなく他府県からわざわざ足を運ぶお客さんも少なくありません。その方々に「大阪でしか食べられないものを、この店でしか食べられないものを」と努める料理人の真摯な姿勢が、「なにわ伝統野菜」を使う大きな原動力になっているようです。

 

【懐石料理 雲鶴 カイセキリョウリウンカク】

住所:〒530-0043  大阪府大阪市北区天満1-18-17

電話番号:06-6809-6515

アクセス:京阪本線 天満橋駅 東改札口から徒歩8分

地下鉄谷町線 天満橋駅 1番出口から徒歩8分

営業時間:ランチ11:30~14:30(LO13:30)

ディナー17:30~22:00(LO20:00)

定休日:お盆時期(その他不定休あり)

総席数:26席

ぐるなび:https://r.gnavi.co.jp/70eptz690000/


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